洲之内徹『セザンヌの塗り残し』(新潮社)

昭和五十八年一月十五日 発行

江戸京子さんに訊きたかったこと 岡鹿之助 15
風が見える 奥田達朗 23
いっぽんのあきビンの 四谷十三雄 32
山下町百番 兵藤和男 40
めいめいの椅子 坂下広吉 49
前線停滞 加藤芳郎 58
セザンヌの塗り残し 青山二郎 68
失われた手紙 西中通 77
雪やこんこ みよし 85
佐渡 喜多村知 93
無学のすすめ 長谷川【りん】二郎 112
禁煙記 立石鐡臣 120
栗ノ木川に風船が浮かんだ 峰村リツ子 129
フィレンツェの石 中島千剛 137
手甲をする裸婦 加藤丈策 146
絵紙と呼ばれた絵 155
盗まれた独裁者 アリヨス・イェルチチ 164
尼崎 白髪一雄 173
甘酒横丁の夕日 水上民平・岸田劉生 182
ついで涙 田中岑・森堯茂・浜田知明 191
スノウィッチ・トオルスキー氏の憂鬱 四方田草炎 202
迂曲限りなく 211
齧られた電柱 武田幸作 221
おいらん丸追跡 木村荘八・重清・国輝・三代広重 230
続 おいらん丸追跡 浅井忠・井上安次・関根正二 239
「続 おいらん丸追跡」の続 関根正二木村荘八 249
村山槐多ノート(一) 村山槐多 258
村山槐多ノート(二) 村山槐多 268
猫は昨日の猫ならず 小泉清 271
湯布院秋景 佐藤渓 286
如是而生如是死 幸徳幸衛 294
眼の中の河 寺田政明 303
洲之内徹の心情美術史 321
  油絵で描く日本的心情−−長谷川利行の「今」
  藤田嗣治の魅力について−−「コモちゃんの食卓」補遺
  通説は信用できない−−大きな傘に小さな躰
  萬鉄五郎の日本回帰−−土沢町の雪
  大正期の画家の青春−−村山槐多と柳瀬正夢
  上野山清貢演歌論−−酔いの効用
  現代エキゾティシズム考−−旅へ
満願寺のこたつ(あとがきに代えて)

*注記 「気まぐれ美術館」シリーズ3作目。【 】内の漢字は燐の偏が「火」ではなく「水」(さんずい)。