広津和郎『続 年月のあしおと(上)』(講談社文芸文庫)

一九九六年二月一〇日第一刷 発行
ISBN:4061976524

目次


柳浪が作家となるまで 9
先祖の血 12
「血」の頽廃か 16
菊池寛と野口雨情 22
菊池寛の率直さ(一) 29
菊池寛の率直さ(二) 33
小説「女給」の材料 41
滝田樗陰と嶋中雄作 44
「女給」騒動 51
まず調停のために中央公論社に 58
菊池の詫状・嶋中の詫状 65
晩年の菊池の顔 70
著述業には家を貸さない 74
文芸懇話会 77
間髪を入れない徳田秋声の一言 81
文学賞と機関誌 85
雑誌「解放」と私 91
「夜明け前」の出版記念会 100
「文学界」と私 105
狭心症 112
二・二六の頃 122
人権はチリアクタの如し 127
「人民文庫」と散文精神 136
斎藤瀏との対決 140
困ったのは機構の自由主義 143
愛国心ニヒリズム 146
外部の憂鬱と内部の憂鬱 149
ボス猿・離れ猿 154
X子という女 157
第一回の自殺未遂 160 
X子とその母 166
“make a scene”の好きな女・嫌いな女 178
はまにX子をまかせて 187
三度目の自殺未遂 195
X子の母と弟に相談する 203
砒素と蕎麦 207
賢樹病む 213
母もまた病む 226
白河への逃避行 243
手相見の老婆 248
通俗小説のテマを買う 250
最早助けてくれる者はない 254
やはり結論は来た 263
二十四年の生涯 272
併し父は混乱している 274
ポーカー・フェース 280