木村毅『丸善外史』(丸善株式会社)
昭和四四年三月二〇日第二刷 発行
(昭和四四年二月二二日 発行)
第一章 世界の丸善
一 G・B・ショウとならんで 1
二 般若の面をかぶって 3
三 スペクテーター社との関係 7
四 みんなの思い出の中の丸善 12
五 大陸書の輸入 18
六 海外の信用 25
七 英国式と米国式 26
八 マクミラン書店 30
九 マクミラン前首相 45
十 ロングマン社 49
十一 ストックホルムにて 53
第二章 丸ブームの意味
−−丸善の創立者・早矢仕有的のこと
一 おこりは地球から 55
二 宮中の地球儀 60
三 丸い金 62
四 店のおこり 66
五 丸屋商社之記 71
六 ウェイランド経済書から 74
七 士魂商才 77
八 伊藤痴遊の思い出 79
九 横浜の偉人 81
十 日本全国の丸善 85
第三章 英語読本事始
一 洋書普及の三段階 89
二 教科書大量輸入 91
三 輸入から翻刻へ 95
四 パーレイの万国史 99
五 書物を通じて三国交流 101
六 ウイルソン・リーダー 107
七 ニュー・ナショナル・リーダー 116
八 日本最初の国定読本 121
九 最初の野球記事 125
十 小学校の国語読本 131
十一 インターナショナル・リーダー 137
十二 隠れたる英文学者 142
第四章 日本を変えた書物
一 新体詩抄 151
二 出版社の積極性 154
三 新芸術の発足 161
四 軍歌と唱歌 169
五 アストンの批評 174
六 フロレンツの批評 177
七 新聞と雑誌 180
八 ポーランド訳 181
九 グレイの「墓畔吟」 187
第五章 内田魯庵
一 最初の丸善購入者 195
二 「罪と罰」 198
三 近代思潮の関門 202
四 尾崎紅葉の最後の注文 206
五 ゲテモノ客 211
六 「學燈」 215
七 世界的反響 217
八 大予約三種 223
九 御婦人の三越・殿方の丸善 227
十 危険なる洋書 232
十一 「復活」翻訳始末 234
十二 官憲弾圧 239
十三 ドウホボール教徒 242
十四 珍書を教えらる 248
十五 「ハーバード古典」叢書 254
十六 円本時代の淵源 260
第六章 「學燈」の西洋近代名著選
一 ラボックの百書選 269
二 時事新報百書選 274
三 魯庵の西洋近代五十書選 282
四 魯庵の言い分 291
五 誤謬発見 296
六 第二次大戦をはさむ百書選 301
第七章 ふたりの本屋社長さん
−−ハロルド・マクミランと司忠
一 名士来往 315
二 マクミランと司の異同 321
三 異種の血 327
四 異常の抜擢 333
五 大陸発展 338
六 ソンム激戦で重傷 341
七 総理大臣と社長と 351
八 イギリスの神武景気 356
九 宿願の本社屋の完成 358
十 社会的事業へ−− 363
補遺断章 370
高橋英夫『今日も、本さがし』(新潮社)
一九九六年二月十五日 発行
ISBN:410312007X
目次
1 本の悩み
絵はがき 11
本さがし 15
ブルーノ・タウト展 20
真夏の京都 25
音楽のある日々 30
また、本さがし 34
先人追懐 39
隠遁生活 44
小林秀雄のレコード 49
玩語喪志 54
引用の面白さ 59
本の悩み 64
奥の院 69
2 私の書斎術
私の書斎術 75
本の大移動 77
私の本整理術 82
私の文章術 86
書評八百冊…… 90
書評家という存在 93
文学の筆写 97
「こと」断ち 99
編集作業というもの 104
新幹線で読む古典 108
売る本 売らない本 112
今日も、本さがし 116
3 記憶と影
二つの後ろ影に 121
追想竹山道雄先生 125
アミニズムとしての批評 128
尾崎さんの片言隻句 133
「行きて帰る」さすらいの人 136
父・露伴の娘 141
見出された「師弟の位相」 146
4 美神の魔
モーツァルト 153
最後のオペラ・セリア 157
音楽が音楽に袂別する 160
夢のノート「シューベルト」 165
美神の魔 168
美術館の「真昼」 172
夏の美術館 176
5 漂う歳月
田園都市のまぼろし 183
奥付きのうしろのページ 193
面接の一撃 197
文学と通過儀礼 200
ドイツ語三歳の春 207
相寄り相集う言葉のむれ 211
※
二見浦 215
京都にて 219
方言と俗語 223
震度1の場所から 227
東京駅、そして倚松庵 230
後記 234
初出一覧
永井龍男『へっぽこ先生その他』(講談社文芸文庫)
一九九二年二月二四日第二刷 発行
(一九九〇年六月一〇日第一刷 発行)
目次
身辺即時
五銭銅貨 13
翁 18
正確な文章 22
孫と新興国 25
薔薇のとげ 28
小悪魔 31
伯父さん 34
さくらのころ 38
また、年寄りのこと 43
復讐 48
引越しの数 50
夜の食堂車 55
質屋について 58
数え日 63
雪のメモ 67
ネクタイの幅 71
霜の朝 74
梅から桜 77
死霊・生霊 85
花十日 91
夕ごころ 98
身に沁む 101
風車 103
井戸の水 107
人の印象
菊池寛 113
三月七日 116
直木三十五 124
芥川龍之介 128
横光氏の忌日 131
誠実の人 135
宇野浩二 138
佐佐木茂索さんのこと 142
書きかけの手紙 161
止まっている時計 166
高田保さんのこと 199
吊りしのぶ 203
大佛さんのこと 210
チェホフ叔父さん 217
「晩菊」の作者 221
中山義秀を偲ぶ 225
ある同窓会 234
円熟 256
久生十蘭 260
「天草日記」なぞ 263
ボールがしたい 267
中原中也 272
吉田君と子息 275
へっぽこ先生 280
銀座の少年劉生 285
クリスマス・イブ 289
おもかげ 294
「銭形平次」誕生のこと 298
村松梢風 301
小野佐世男 304
古川緑波 308
里見さんの家 311
近作「俳人仲間」 315
別冊付録のこと 321
黒いソフト 323
人と作品(勝又浩) 327
年譜(森本昭三郎) 343
著書目録 353
永井龍男『わが切抜帖|昔の東京』(講談社文芸文庫)
一九九一年一二月一〇日第一刷 発行
ISBN:4061961578
目次
わが切抜帖より
水晶 11
銭湯 17
春めく 23
野球開幕 28
身上相談 34
少年 39
銀座の着物・巴里のベレ 44
ある随筆の筆者 49
キリンの死 55
月を往復する距離 60
祝儀不祝儀 66
月の表面 71
カンディダの話 77
デンキ屋問答 82
犬と猫 88
耳と鼻と 93
億という数字 99
銀座の水溜り 104
歯医者の庭 109
蓮ひらく 114
「死ぬほど良心に」 120
下足札 125
五右衛門について 131
フォークと箸と 136
ビルとネズミ 141
昔の東京
ステッキと文士 149
わが寄席行灯 152
二昔三昔 173
ライスカレーとカツレツ 196
大震災の中の一人 206
武道館界隈 212
魚河岸春夏秋冬 219
人と作品(中野孝次) 219
年譜(森本昭三郎) 265
著書目録 275
安田武『昭和 東京 私史』(中公文庫)
昭和六十二年八月十日 発行
ISBN:412201445x
目次
花電車 11
巣鴨 15
西洋館 19
幼稚園 23
文化住宅 27
三美人 31
お弁当 35
同級生 39
昭和四年 43
野球放送 47
露店 51
みそっかす 55
東京言葉 59
女中 62
新聞紙 68
避暑 72
満州事変 76
爆弾三勇士 80
祖父の死 85
シャボン 89
昭和七年 93
叔父の周辺 97
教育パパ 101
幻の新番付 105
相撲醍醐味 109
楽しい授業 113
落語 117
二軒長屋 121
天国に結ぶ恋 125
流行歌と唱歌 129
白木屋火災 134
諸芸教授 138
町医者 142
東京音頭 146
満州移住 150
神経衰弱 154
帰国 158
ヅカ熱 162
有名校 166
都会っ子 170
二・二六事件と阿部定 174
終焉と開始 178
築地小劇場 182
電蓄 186
洋画 190
中学生 192
ある遺稿集 198
一つの出会い 202
級長と副級長 204
数学嫌い 210
「文芸復興」期 214
戦中派 218
退学 222
転入学 226
神戸三中 230
皇国教育 234
進退の自由 238
第二次世界大戦 242
自由の校風 246
国史教師追放 250
本郷・落第横丁 254
男女共学 258
片岡良一先生 260
上総湊の夏 266
日付のある「別れ」 270
蔵前通い 274
日米開戦 278
あとがき 282
解説(高田宏) 289