由良君美『風狂 虎の巻』(青土社)

一九八三年十二月二十五日 発行

日本的幻想美の水脈 9
 『梁塵秘抄』にみる日本の心 10
 日本的幻想美の水脈−−伎楽面から芳崖まで 20
 江戸芸術のマニエリスム−−曾我蕭白のケース・スタディ 27
 江戸のマニエリスム的傾向−−円山応挙伊藤若冲長澤蘆雪らを中心に 48
 浮世絵断想 61
    *
幻想の核 71
 人間性の恒常の相を示すメルヘン 72
 〈始源の時間〉に回帰するおとぎ話 80
 「翼人」稗説外伝 100
 幻想の核をもとめて 112
 日本オカルティズム? 117
 Necrophagia考 124
 詩・落葉のひとに 132
    *
風狂の文学 133
 夢野久作の都市幻想 134
 自然状態と脳髄地獄−−夢野久作ノオト 145
 夢野久作・ドグマ・ラグマ−−狂気のロマン 156
 指輪と泥棒−−夢野久作のメルヘン 166
 無為の饒舌−−大泉黒石素描 178
 『黒石怪奇物語集』のあとに 188
 大泉黒石『人間廃業』 199
 坂口安吾または透明な余白 209
 最後の江戸文人の面影−−平井呈一先生を偲ぶ 220
 回想の平井呈一 229
    *
現代俳句における風狂の思想−−中村草田男 243
 『美田』随想 244
 おそるべき解剖の眼 255
 己の座 257
 夏山の騎士−−草田男の連作 261
 素白の憂愁−−「メランコリア」連作に寄せて 270
 中村草田男の風貌 278
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贋作風景 283
 贋作風景 284
 本物と偽物 287
 書誌学も極まるところ一つの犯罪 292
  

うしろの立ち見席から 305